プロジェクトをリードする前に読みたかった本

この1年ほど、プロジェクトのリードを任せてもらえるようになりました。2017年の夏くらいから「プロジェクト推進役」→「PJO」→「Tech Lead」, 「Project Lead」など、正式ではないものの「肩書」のようなものがついていますが、実際にやっていることは「プロダクトの成功に向かってプロジェクトを行動で引っ張っていくこと」で統一されています。

これは別に偉くなったとかではなくて、そういう責任を持ってPJに関わる役割だと思って臨んでいますし、実際マネージャーからもそのように言われています。

自分なりに試行錯誤をして時には成功し、時には失敗しながらなんとかかんとかやってきていているのですが、「あー、この本に救われた」とか「ちょっと前にこの本読んでおけばよかった...」という本があったので何冊か紹介したいと思います。

エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング

読もう読もうと思って忙しさでなかなか手を付けられていなかったのですが、最近ようやく読むことができました。

何回かプロジェクトのリード含めてマネジメントをやっていると「あ、これいけそう」とか「むー、ヤバい感じになってきたな」とかプロジェクトの状況が肌感で分かるようになってきます。これをもう一段階掘り下げて「なぜそうなのか」が僕の場合はよく分かるようになりました。

この本は不確実性をエンジニアリングで解決する方法について述べています(と僕は思っています)。

企業活動は、市場に存在する不確実性と、複数人のコミュニケーションの不確実性とを相手にした「エンジニアリング」です。 - P300

いまPMの@kyosu_keとTech Leadとしてタッグを組んで とあるプロジェクトを進めているのですが、2人ともめっちゃ「不確実性下げよう」って言ってます。もはやブーム。

kyosu_keと僕の「不確実性」は若干異なっていて、彼の場合はPM視点での「目的不確実性」のことをよく言っていて、僕は「方法不確実性」のことをよく言っています。

これは「どうやって正しく作るか」が命題であるエンジニアと、「何を作るか」を考えるプロデューサーの視点の違いだな、と思っています。

それからメンタリング、アジャイル、技術的負債など、Web業界だと当たり前の用に使われていながら本質的な意味が取り残されてしまいがちなワードがたくさんあるんだな、ということにも気が付きました。

この本を読んでからの変化としては「可視化」にめちゃくちゃこだわるようになりました。「なんかヤバそう」とかスケジュールに関することは、いつ、どの段階で、何を、何人でやらなければならないのかをビジュアライズして数字に落とし込みます。

ボリューム感が分からないくらいデカいプロジェクトだったら、超ざっくりでも良いから見積もりを出しながら経験則が働く状態に持っていて見積もりのサイクルを回す、というイメージです。

「可視化」はコミュニケーションにも当てはまります。目を見て挨拶するとか、相手の話していることにリアクションするとかは「自分から相手への承認」の「可視化」です。

プロジェクトマネジメントや人とのコミュニケーション全て含めて「エンジニアリングだったんだ」というなんとなく気づきながらエンジニアリングと線を引いていた自分には目からウロコというか言われるまでそう認識することができませんでした。

推進役, PJO, Tech Lead, Project Leadなど肩書は何でも良いのですが、プロダクト/プロジェクトの成功に向かうとき、読んでいくときっと救われると思います。

OKR(オーケーアール) シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法

僕の勤めているメルカリではOKR(Objectives and Key Results)を目標管理システムとして採用しています(OKRについての細かな説明は省略します)。

OKR(オーケーアール) シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法

OKR(オーケーアール) シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法

メルカリに1年半以上働いていながらOKRの仕組みや目標の設定がうまくできず困っていたところにこの本が出るのを知ってソッコーで買って読みました。

Webの記事や会社のwikiなどでOKRの説明を読んでもあまり理解できなかった自分にはこの本が本当にありがたかったのですが、それは「目標設定」の方法が書かれている以上に「運用」の方法がしっかりと書かれていたからです。

  1. Qのムーンショットな目標を作る(長期)
  2. フォーカスすることを週ごとに必ず設定する(短期)
  3. 次の月にできていることをイメージして週ごとに更新する(中期)
  4. 健全性の指標を作る

本の内容とほぼ同じ通りに以上の4つをマトリックスにして1枚のシートで管理しています。短期的にフォーカスすることと長期的に見据えなければいけないことのバランスがどうしても悪くなってしまうのがプロジェクト進行上の悩みだったのですが、この方法を導入してからあまり悩まなくなりました。

OKRで困っていたらマストで読みましょう。

まとめ

たぶん「リードよろしく」と言われる瞬間は突然来るんじゃないかと思います。他にも読んでおきたい本はあるのですが、実務に影響を及ぼしたのはこの2冊なので、そのときは思い出してみてください。

近況 2018年3月

近況

コアスタッフが見たiOSDC Japan 2017 #iosdc #blog | wearable44 というブログを書いて以来半年ぶりにブログを書きます。

今まではWordPressでブログを運用していたり、GitHub Pagesで書いてみたりいろいろ試していたものの運用が一番ラクなはてなブログにすることにしました。

特にWordPressは色々と面倒なので早く後片付けをして閉じてしまいたいと思う一方、ログとして残しておきたい気持ちもあるので悩ましいところではあります。

仕事

ソフトウェアエンジニアとしての仕事をしながらプロデューサー的なポジションをこの半年ほどやっていたのですが、個人的にはとても良い経験だったと思います。

自分で分析して何をしたら伸びるか企画を考え実行に移す、というのは本当に面白いことです。

一方でチームはiOSエンジニア1人しかいなかったこともあり、企画と実装を平行に進めことがどうしても難しくそれがフラストレーションにもなっていました。

プロデューサーとしてのスキルがまだまだ足りないこともあり、基礎的なフレームワークを使いこなせていないことが原因だったな、といまとなっては感じています。

一時期はプロデューサーへの転向を考えていてかなり真剣に方向性を考えていたのですが、色々と事情が変わりiOSを専門にもうしばらく続けていくことになりそうです。

直近では新規事業サービスであるメルカリ カウルのiOS開発と並行してメルカリのiOS開発をしています。iOSでは自動化周りしっかりと時間を作って行えたことが良かった一方で、あまり技術的に面白いことに取り組めなかったとも思っています。

プロデューサーのチャンスは巡ってくると思うので、その時までにそっちのスキルもしっかり磨いていきます。

プライベート

家計の見える化

昨年10月に1年越しの新婚旅行を終えてから家計の整備をはじめました。

まずは「可視化」ということで、自分と妻の収入と支出をMoney Fowardで見える化しました。プレミアムプランに入って家計レポートも出るようにしています。

自分の支出に戦々恐々としていたものの、常識的な支出の範囲内だったので夫婦揃って安心しました。

その過程でいまさら格安SIMに乗り換えたのですが非常に満足しています。これまでauを使っており、家の回線をauひかりに変えるなどして節約を試みましたが、結論から言うとau関連のサービスをすべてやめたことが家計にとって最も良かったです。auひかりもビッグローブ光より結果的に高くなってしまい、時間とお金をかけて無駄なことを積み重ねてしまい公開してます。

やたらと無用なオプションを付けられることは半分しょうがないと思いつつ、その解約忘れでかなり損をしました。結果的に違約金を払ってLINEモバイルに乗り換えました。

これをやるとやらないかで10万円の差があることが分かったためです。もしまだ3大キャリアを使っている方がいたら一度年間でかかる金額を計算して比較してみることをオススメします。

ファイナンシャルプランナーの方に一度相談した際に言われたのですが「生活のコストを全く変えずにすぐに節約できる唯一の方法」とのことで、言われたその日にやっておけばよかったな、と後悔しています。

生命保険

生命保険にも加入しました。

生命保険に「え?」と思う方もいるかもしれませんが家族がいることを考えての選択です。ドル建ての外貨終身積立型保険です。年金代わりになりつつも、利率最低保証付きで積立になり、さらには自分に何かあった時にリカバリできることも考えてこれにしました。

妻が保険会社で働いていることもあって、以前から加入について相談されていたのですが、どうしても抵抗がありました。ファイナンシャルプランナーへの相談をきっかけに自分で色々と調べてみて、金融系の商品としての面白さを感じたこともきっかけの一つです。

そんなこともあり、どちらかというと資産運用をメインで加入しています。iDeCoやNISAも検討中ですが、基準としては所得控除になるものを選ぼうと思っています。

収入を上げること同時に節税も大事な。そう考える年頃になったようです。

昨年から副業の収入が一定金額を超えてしまったことによって確定申告に迫られ、いままで年末調整で面倒くさいとしか思っていなかった税金周りのことに面白みを感じてきたことも取り組んだ原因の一つです。

Web系の会社はストックオプションや株の話はしょっちゅうするのにこういうお金の戦略的な運用について話す人は少ないな、と感じています。センシティブな問題なことと、個々人の環境によって異なるので話さないだけなのかもしれませんが。

パーソナルトレーニング

今年の頭からパーソナルトレーニングを始めてみました。普段通っている会社から最寄りのジムで1時間約6000円でお願いしています。

ジムは10年以上通っているのですが、この数年はあまり良い成果が得られていなかったので試してみました。数字でハッキリと効果が見えたので隔週でお願いしています。

ただしこの一ヶ月くらいはいろいろな事情で行くことができなかったのでお休み中です。まだしばらくお休みするつもりで5月からまたお願いしようと思っています。

トレーニングをしっかり見てもらえるだけでなく、普段の食事内容にも気をつけるようになるのでオススメです。初心者でも1on1だと聞きやすいので、特にジムに通ったことがない人ほどお願いした方が良いのではないかと思っています。

まとめ

上で書いた以外のことでも大きめのことに取り組んでいるのですが、気が向いたら書いてみようと思っています。この半年くらいはソフトウェア周りのことにしっかりと取り組めていなかったので、何か作りたいなと思っています。

これだ!というアイデアができたのでそれを形にすべく動き始めています。iOS以外で取り組むこともテーマの一つなので時間がかかると思います。