Enjoyした2ヶ月間の育休から復職する

Enjoyすること

8月、9月と取得していた育休からきょうで復職する。家族のためにフルコミットできた、とても充実した2ヶ月間だった。

これから色々書き並べるけどEnjoyすること、楽しむということを一番大事なこととして記しておきたいと思う。

もし時間があれば、アン・ハサウェイの国際女性デーの基調演説はぜひ見てもらいたい。男性の育休取得の社会的意義について考えさせられるのではないかと思う。

彼女は産後2週間歩くこともままならなかったらしい。この動画を見て、妻をしっかり支援しなければという思いを強くした。

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動画ではアメリカの育児休暇制度について述べられているが、比較すると給付金も出る日本は保障が厚いように感じた。

中小企業7割が育休義務化に反対というニュースがあったが、当たり前のように育休を取る雰囲気づくり、職場のカルチャーが占める部分は大きいのではないかと感じる。

アン・ハサウェイは育休はただの休みではなく、役割の決定、時間の投資の選択、そしてポジティブなサイクルを作り出すことだと述べている。

"Paid parental leave isn't about taking days off work. It's about creating the freedom to define roles, to choose how to invest time, and to establish new positive cycles of behavior"

そして、ポジティブなサイクルを生み出していくためにはEnjoyすること/楽しむことが大事なのではないかと2ヶ月間の育休をとってみた強く感じた。

世の中には色々と育休の情報が溢れているが、とかく大変なことを強調されることが多かったように感じる。

そんなこともあり、育休取得前に色々と不安だったので1on1で世間話としてお子さんのいる人にアドバイスを色々もらっていたんだけど、そのうちの一人に夜泣きとか大変だったりするかもしれないけど、とにかくEnjoyすることだよ(英語の会話だったので意訳)と教えてもらった。

沐浴はどうしようとか、睡眠時間は取れるのかとかいらぬ心配をしてしまっていたんだけど、コンセプトとして育休をEnjoyすることに決めたら気持ちがだいぶ楽になった。

2ヶ月間あまり眠れないときがあっても、自分は一生のうちでほとんど過ごすことのできない貴重な時間を過ごしているんだと思うことができて笑顔で過ごすことができた。

このアドバイスをくれたことに本当に感謝している。

ここまでで伝えたいことの95%は伝え終わった。このあと育休取得やその準備について書いているけど、だいたい何とかなる。育休を楽しむということが最高のソリューションだと感じている。備えあれば憂いないしくらいで読んでもらえると嬉しい。

育休を取得するまで

"男性の育休取得率80%"という会社に所属していて、育休を取得するのはもはや「当たり前」の環境にいたので取得することにそこまで迷いはなかった。

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もっと言うとこの記事を読んだときに「100%じゃないんだ」と感じてしまうほど周囲の人たちは育休を取得している。これは経営陣がしっかりと育休を取得している影響がとても強いと思う。

そのような環境なので自分自身も、一従業員として、(Managerなので)Managerとして、取得しない理由はないと感じた。

一方で、すべての会社がこうではなく、世間一般的な男性の育休取得の難しさも感じている。自分自身も以前正社員数が25人未満、業務がシフト制の会社に所属していたことがあったが、そこで育休を取得する男性はいなかったと思う。

当時は若かったこともありあまり疑問には感じていなかったが、その会社では「難しい」「仕事はどうなるんだ」という雰囲気が漂っていたように感じていて、無言の圧力もあったのではないかと感じる。

育休への準備

3ヶ月前から上長や関わるメンバーに頭出しを始めた。Managerを務めているので自分が不在のときの代理(1on1や評価など)、報告フローなどを早い段階で調整し始めた。

いろいろな人と話している過程で「1ヶ月にしようか」と考えたが、COVID-19の影響もあり親の支援を望めなかったので特に育児が大変だと言われる2ヶ月はフルコミットすることを決めた。

育児休業給付金の盲点

育休を取得すると国から"育児休業給付金"がもらえるらしく、育休中の2ヶ月間はこれを使って生活しようと思っていたのだけど、これは2ヶ月後から支給されるものらしく最低2ヶ月分の蓄えは必要ということになる(育休終わるけどまだ支給されていない)。

貯金が全然ない、とかだと困ったことになるので蓄えておく必要あり。

育休中

自分の場合はみんなに伝えていた予定日よりも一週間早く生まれたので、それに合わせて休みを早めた(実際の育休期間は変更せず期限切れになってしまう有休を活用、もちろん引き継ぎも休みに入る前に終わらせた)。

そんな感じで休みに入ったのだけど、最初の3日くらいを過ごしたあたりで自分が育児をなめていたことに気がついた

大変だったこと

「1時間ごとにミルク/授乳をしないといけない」というのを本で読んではいたんだけど、1時間ごとなら結構休めそう、くらいにしか思っていなかった。

が、実際には赤ちゃんが飲み終えるのに20分、その後おむつの交換などで20分、服が汚れたりしたら着替えさせたりしないといけない(+5分)など。これに加えて自分たちのことをしていると気がついたら次のミルク/授乳の時間になっている。

ちゃんと考えてみれば当たり前のことなんだけど、予想以上に一つ一つのことに時間がかかることがあとから分かった。

また生活リズムも最初の一ヶ月は2-3時間の仮眠を取りながら24時間を過ごしている感じで、眠れるタイミングで昼寝をする、という状態だった(これは事前に取得していた情報通りだった)。

夜中のミルク/授乳で起きたり、最初の一ヶ月は自分が3食用意していたんだけど、そういうことをしているととにかく立っている時間が長くそれだけで結構疲れる。

Apple Watchでスタンド時間を見てみると、この時期(8月)は立っている時間が多いことがわかる。

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COVID-19の影響

出産前から影響がとても大きかったが、結論から言うとなんとかなった。

親が遠方に住んでおり5月-7月の雰囲気だと帰省するわけにもいかず来てもらうわけにもいかず、という状態で親の支援は受けることは早々に諦め割り切って自分たちで頑張ることにしていた。

また区役所等で通常受けられるはずの両親学級などが受けられなくなってしまい、本や動画などで予習をするしかなかったが、幸い今の時代はいろいろな方法が提供されているのでそれらを活用した。

  • Zoomで両親学級ウェビナー(2000円くらい)に参加
  • YouTubeの動画で出産、抱っこ、沐浴などを予習

育児グッズもお店に行って色々比較したかったけど、Amazonたまひよでほとんどのものを購入し特に困ることはなかった。

振り返り

2ヶ月目に入ったあたりから子供にもリズムができてきたこともあって、後半は思っていた以上のことができた(リズムができるかは個人差あると思うけど)。

ミルク/授乳の間にKindleで本を読んでいたこともあって4-5冊本を読むことができたし、子供が昼寝したり寝静まってからSwiftUIで機能をいくつか作ってみたりとスキル向上の時間にすることができた。自分のキャリアについて、忙殺されがちな仕事から離れて達観することもできたし、そういう点でも良かった。

最初に書いたけど、やはりEnjoyすること、楽しむことが一番だと思っているので、十分に備えて、育児にフルコミットできるようにしていけると良いと思う。そして、男性の育休が当たり前になっていくと良いなと思う。